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ITKarte (ITカルテ)

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ITカルテのはじまり その5

結局,これまでに述べた全ての条件を満たすためには,医療データに対するアクセス権を与える者が医療者側ではうまくいかないことが分かりました.
そうです.患者さんの医療データにアクセスすることを許可する者は,患者さんその人でなくてはならないということです.この考え方で医用データ管理システムを構築するとうまくいきそうです.

ところが,この研究を行っている医師達は悩みました.
全てのアクセス権に関する基本的な権利は患者が持ち,医師は患者からアクセス権を分けてもらう,なんて考え方を医師が受け入れられるのだろうか,と.

この頃は,医療データに関する責任者は誰であるか,などということは,一介の医師が考えることではなく,もっと高等な機関や国がきめることである,という人もいました.

しかし,広域で医療情報を効率的に共有するためには,患者主権が最も適しているのです.
このような考えに到ったのは2002年の春でしたが,実はこのことは医療の本質と関連があると思われます.

そもそも,医療行為として,医師が患者の身体に傷を付けても許されるのは何故か.
それは,医師の行なう行為が患者にとって有益であるとの患者側の認識により,医師の行為を患者が許可しているからです.医師が患者の身体に有害な放射線を浴びせながら,CTを撮ることを許される根拠も同じです.

身体にあまり害がないMRIにしても,勝手に体の中を覗かせている訳ではないでしょう.患者の付託により医師は調べることを許可されていると考えるのが妥当でしょう.
このように考えると医師の行なう行為は,その多くが患者からの暗黙の了解の上に成り立っていことがわかります.
患者さんが病院を受診した時,その暗黙の了解に基づく関係が生じていると考えられるのです.



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