"ITカルテ(ITKarte)サービスと運営"カテゴリーの記事一覧
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世界の大企業GoogleがGoogle Healthというサービスを始めることがニュースになっている.
一方国内ではウィルコムがポケットカルテというサービスを行なうことが発表された.
Google Healthでは,ユーザーが医療機関から提供される処方箋や検査結果の記録などを自分のデータとして取り込み,Google Healthを通じてアクセスできる,ということらしい.そして,自分の医療データを他の医療施設やサービス施設に提供できる,ということを謳っている.グーグルはこれを無料で提供し,広告料で収入を得る事になる.Googleのホームページでは,個人の情報を検索対象にはしません,と言っているが,皆が危惧することは,まさにそこであろう.USAの保健医療制度では,これらの個人医療情報が医療保険会社に渡った場合,個人は非常に辛い立場に置かれるから尤もなことである.
ウィルコムのポケットカルテは,仮想専用線LANを用いる,どこカル.ネットと,Web電子カルテを売るアピウスがウィルコム回線を用いて行なうサービスらしい.
いずれも,サービスの目的はITカルテと似ている.Googleは知名度,資本とも巨大である.ポケットカルテは国内の企業が多数参加して運営されることになりそうだ.
ITカルテはどちらかというとGoogle Healthに近いサービスであるが,データの入力を基本的に医療従事者が行なう点はポケットカルテに近い.と思っていたら,ポケットカルテも患者さんが入れるのかな?
GoogleがGoogle Healthを提唱してきたことは,通常のインターネットで,医療情報を扱うことを社会が認知,許容する事に前向きであることを示しており,インターネットとSSLの組み合わせに独自のアクセス権管理システムを組み込んだITカルテには,ある意味,追い風でもある.Google Health日本版のようなものである.
ITカルテは使うつもりになれば,通信回線には依存せず,医師が会員になっていれば,何処からでもデータの入力ができる.飛び込みの患者にも対応できる.そして,個人の医療情報を誰に見せるかという個人情報管理に関しては,医療者主導のシステムとは一線を画している.これらの点は,既存システムと異るところである.
ITカルテは既にサービスを行っているが,今後,社会に広めるために多くの電子カルテメーカーに協力をいただく必要があろう.
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2008年 明けましておめでとうございます.
さて,昨年より運営の始まったITカルテですが,新年からITカルテの中にバナー広告を出してくれる企業が現れました.ありがたいことです.
ITカルテの患者会員がログインするページには現在広告はありませんが,医師会員がログインするページには広告が出るようになっています.
ITカルテでは,医師が見るページと,患者さんが見るページの内容は同じですが,ページフレームは別々に準備されているので,ユーザーを区別してコマーシャルが載せられるようになっています.
これから,利用者が増え,さらに広告バナーの依頼がいただけるようになれば,運営基盤も安定するかもしれません.しかし,赤字で営業してくださっている運営会社には,もう少し頑張っていただく必要がありますのでよろしくお願いします.
追記(2008年8月16日)
実は,この記事を書いた2008年1月以降,”バナー広告を出すのは不純である”という主旨のメールをいただきました.しかし,ITカルテは患者会員に安い料金でユビキタスカルテを提供し,そのサービスを永続させることを目標にしています.実際問題として,会員一人あたり月額500円くらいでは,サービスを継続することはできません.ご理解いただきたいと思います. -
ITカルテのサービスが始まって未だ一年経ちません.多くの人々にITカルテを知ってもらうためには,継続的に安定したサービスを行うことが必要であると心得ています.
多くの電子カルテによる地域連携(病診連携など)の経営基盤は,国の補助金や医療関係団体の拠出金によることが多いのが現状です.ところが補助金や年度限定の予算措置はその時だけで終わってしまいます.そして,そのプロジェクトは「上手くいきました.報告書もできました.」という段階まで来るとサービス自体が終了してしまうことが多いのです.
このようなウェブサービスが補助金や予算措置に頼ってしか運営できなかった理由は,システムの運営費を病院や医療施設に負担させようとしたからであろうと思われます.医療費削減の流れの中,医療施設がシステムの運営の為の費用を捻出するのは,困難ですし,病院経営サイドとしては対応の難しい話でしょう.
では単純に患者サイドが経費を支払えばよいかというと,それほど簡単ではありません.相応のメリットを患者サイドが享受できなければ患者サイドは金銭的負担をしたくはないからです.患者サイドとしてはサービスに対価を支払う根拠が必要だと思うでしょう.
ITカルテの場合,患者さんにユビキタス医療情報開示を提供できるというメリットが,対価になってます.
しかし,これが対価として妥当であると感じる患者さんだけではありません.これが会員になる患者さんと会員にならない患者さんがいらっしゃる理由です.
現在ITカルテの会員になった場合,医療従事者は無料,患者様は有料(年間6000円くらい)です.
患者様からは,なぜ医師が無料なのか,と言われるかもしれませんね.それは,医師は,患者会員に医療情報を提供する手間がかかるからです.有料にした場合,医師はITカルテを利用する(患者会員にサービスを提供する)のにお金を払わなくてはならなくなります.医師が使わなければ,患者もITカルテの会員になる意味が無くなってしまいます. -
ITカルテの会員は現在,患者と医師です.
患者さんがITカルテを使いたければ,単純に会員となれば使えます(会費は必要).患者さんにとっては,自分の医療情報であり,毎回のカルテ開示を受けるような状況になるので,会員となるメリットはあるでしょう.
医師がITKarteに参加するためには,医師であることの証明が必要であり,その証明を得る方法は少し面倒です.
現在の所,医師が会員になるために,自分が医師であることを証明するために
1. 医師免許証のコピーと写真付きの身分証明の提出
2. 勤務先の病院が発行する,医師として存在する事の証明書の提出
のいずれかを求めています.
しかし,これではそれほど簡単に事が進まないのも事実です.ITカルテの知名度が低い中,医師に個人情報を提供してもらうことが難しいからです.
そこで,医師の参加の垣根を低くしながら,セキュリティを確保するため
3. 既にITカルテを利用しており,運営者サイドが信頼するメンバー(中核メンバー)からの紹介
という方法が採用されています.
追記(2008年)
筆者の勤務する大学病院では院内電子カルテとITカルテが接続されました.この時から,院内電子カルテに医師としてログインできる医師は,院内電子カルテ経由でITカルテに加入できるようになりました.
院内電子カルテに,医籍登録番号を入力することによりITカルテのIDが発行されるようになり,
1. 医師免許証のコピーと写真付きの身分証明の提出
2. 勤務先の病院が発行する,医師として存在する事の証明書の提出
が必要なくなりました.