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ITKarte (ITカルテ)

医療情報,医用データの患者さんへの開示(カルテ開示), 医療施設間の連携(病病連携,病診連携), 生涯の医療情報の蓄積(生涯カルテ),  いつでも何処でも必要な医療情報へのアクセス(ユビキタス カルテ),をインターネットで実現するITKarte(ITカルテ)をご紹介します. ITカルテはインターネット上に構築された医用データ共有システムです.医師と医師,医師と患者さんの間の医療情報共有をサポートするツールとして利用されています.はじめての人は”カテゴリー”の「ITカルテのはじまり」をご覧下さい.

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ITによるカルテ開示,医療連携の問題点
診療の場でITカルテを利用していると,患者さんやご家族は,ITカルテの利用にメリットを感じて喜んでくれますが,これを多くの人たちに利用していただく上での問題点も浮かび上がってきました.
実際,医師や医療従事者に使ってもらうのは簡単ではありません.以下に私が感じたことと,医療従事者からのコメントを示します.

1) ITカルテにコメントを入れたり,データを移したりするためには,仕事量が増えるが,それに見合った診療報酬が発生しない.医師のボランティアであるため,医師や病院が参加するメリットが小さい,という意見がある.
2) 診察の現場にインターネットの環境整備が不十分.
3) 病院内電子カルテとの連携システムが無い場合はデータの移行に手間がかかる.
4) 患者が常に,善意の人ばかりではないので,ITカルテの利用に不安を感じる,という意見がある.
5) 患者が質問や問い合わせをITカルテに記載してきた場合に,逐一対応することを求められるのではないかと心配である,という意見がある.

これらの中でやはり,最も大きな壁は,データ開示の業務に対する報酬が発生しない,ということであるらしい.一方で患者さんがITカルテの事を知り,積極的に利用したい,と希望されることもあり,その中には,”診療の度にデータを入力してもらえるのならば,病院に診療の度に何百円単位の手数料を払っても良い”とおっしゃる方も存在する.
特に,患者さんの息子さんや娘さんが診察時に同席できない状況では,検査や治療の内容を知りたいという強い希望をもっていらっしゃる場合がある.しかし,医療提供サイドや保険診療システムが制度として対応できていないというのが現状である.
病院にある程度の料金を払ってでも,診療の状況を知りたいとする人々に応じることができるような仕組みの整備が必要であろう.
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