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ITKarte (ITカルテ)

医療情報,医用データの患者さんへの開示(カルテ開示), 医療施設間の連携(病病連携,病診連携), 生涯の医療情報の蓄積(生涯カルテ),  いつでも何処でも必要な医療情報へのアクセス(ユビキタス カルテ),をインターネットで実現するITKarte(ITカルテ)をご紹介します. ITカルテはインターネット上に構築された医用データ共有システムです.医師と医師,医師と患者さんの間の医療情報共有をサポートするツールとして利用されています.はじめての人は”カテゴリー”の「ITカルテのはじまり」をご覧下さい.

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「重点計画-2008(案)に関する意見」7
データセンターの利用料について、医療保険の適応が必要
 
患者が自主的に医用データを保持する仕組みとして、重点計画では社会保障カード(仮)、及び電子私書箱(仮)が規定されているが、国がこれらのシステムを構築し、一元管理される予定であろうか。(IHE-Jを国が運用する?)
現在は、医療機関が独自に保有する電子カルテ間でデータをやり取りするための規格のみが研究されている。結局、医療機関がデータを保有する形になると、多くの医療機関にまたがって診療を受ける患者のデータは分散する.各医療機関には、インターネットサーバを運営管理するような技能は期待できない。したがって、理想的には、インターネットサーバの運営管理が可能な技術者が常駐するデータセンターが運営を行うべきである。つまり、患者が主体的に自分のデータをデータセンターに保持し、そのアクセス権を医療従事者に与えるような運用が理想的である。このような運営形態が実現された場合に、そのデータセンターの利用料について、医療保険が補助するような視点が欲しい。

例えば,ユビキタスカルテは運営を一般企業であるウェブサービス会社で実施し,利用者である個人(患者)に課金する方が現実的である.個人(患者)にとって,利用料は,提供された医療情報(医師の記録や検査結果)の開示や長期的な記録の蓄積サービスを提供されることへの対価となる.一方,医療提供サイドにはユビキタスカルテの利用(患者へのカルテ開示,地域連携)に保険点数を付け,医療情報の記録,共有を奨励することが必要である.ユビキタスカルテは地域連携,医療情報共有システムとして利用されることに意義があるわけで,実際にシステムが稼働しても医療者がそのシステムを使うことにメリットを感じなければ,普及は難しい.
総務大臣及び厚生労働大臣の共同による“遠隔医療の推進方策に関する懇談会の論点整理”にも示されているように,医師にインセンティブを与え、疲弊感を減らすような制度設計が必要である.使命感に基づく無報酬・業務外のボランティアに頼るのでなく、利用促進のための制度化,報酬化が重要である.加えて,この時の報酬許可条件は緩和しておくべきである.

このようにユビキタスカルテの利用者(患者)に一般企業が課金し,ユビキタスカルテを利用する患者にのみ診療報酬を発生させる考え方には異論があるかもしれない.しかし,ユビキタスカルテの利用に積極的であり,その利用に意義を見いだす利用者(患者)にとっては,受益者負担の原則が受け入れられると思われる.また,ユビキタスカルテの利用では,患者-医療従事者,医療従事者-医療従事者の連携が行われるため,無駄な検査や質の劣る検査機器による検査,重複する投薬は,患者や複数の医療従事者の目にさらされるため,淘汰されるであろう.これらの医療費抑制を促進するためにユビキタスカルテ利用に診療報酬を出すことは,理にかなうと思われる.また,ユビキタスカルテの運営を企業に任す事は,国の経済的負担を生じさせない上でも有効である.これはユビキタスカルテとレセプトのオンライン化を分けて進めるべき理由の一つでもある.
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