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医療情報化のためには医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である..
啓蒙,教育について
ユビキタスカルテの利用は,これまで国民も医療従事者も経験して来なかった状況である.患者にとっては,恒常的なカルテ開示状態が実現されるが,医療の特質として,診療の初期から全ての診断や治療方法が常に正しいとは限らない.このような状況を理解し,適切に対応する啓蒙,教育が患者に対しては必要であると考えられる.ユビキタスカルテの利用が医療訴訟を増加させるような事態になれば,医療者側が情報をユビキタスカルテに提供することは難しくなる.この点に関しては,社会が医療者に対して魔女狩り的な対応を行わないように行政,司法上の対策が必要である.
また,医療従事者に対しては,個人情報を広域で共有することの意義と危険性を知らしめ,その取り扱い方法について教育する事が必要かもしれない.
ユビキタスカルテの利用は,時間的空間的隔たりを越えた情報の利用を可能にするため,利用者(患者,医療従事者とも)にそれなりのリテラシーを要求する.それ故,普及の初期段階にあっては特に,使用を希望する者,リスクに対する準備ができている者から利用をはじめ,医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である.
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