-
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
-
医師が患者データを他の医師に送りたい時,患者IDをシステム上で発行できますが,これまでは患者を会員として登録するものでした.
患者さんが患者会員になれば,患者さんもITカルテを閲覧したり,書き込みをしたりできるようになりますが,緊急の場合は,患者さんを会員として登録することが難しい場合があります.
そこで,このような場合に,医師の責任で他の医師に,画像や所見について相談するために,医療連携専用IDの発行ができるようになりました.医療連携専用IDは患者さんへのカルテ開示は行われませんが,無料で利用できるようになっています.ID発行も,年齢と性別を入力するだけで,簡単です.データの保存期間は6か月ですが,一時的に利用するのには十分でしょう.メールのような感覚で利用することができます.
医師Aから医師Bに画像を転送するだけなら,メールで十分と言う意見もありそうですが,データが多いとメールで送るのは以外と大変です.また受け取った大量の画像をどうしようか?と悩みます.
ITカルテでは,DICOMデータ,JPEG, BMP, TIFFを読み込むことができます.複数の医師で相談することも可能となります.PR -
医療情報化のためには医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である..啓蒙,教育についてユビキタスカルテの利用は,これまで国民も医療従事者も経験して来なかった状況である.患者にとっては,恒常的なカルテ開示状態が実現されるが,医療の特質として,診療の初期から全ての診断や治療方法が常に正しいとは限らない.このような状況を理解し,適切に対応する啓蒙,教育が患者に対しては必要であると考えられる.ユビキタスカルテの利用が医療訴訟を増加させるような事態になれば,医療者側が情報をユビキタスカルテに提供することは難しくなる.この点に関しては,社会が医療者に対して魔女狩り的な対応を行わないように行政,司法上の対策が必要である.また,医療従事者に対しては,個人情報を広域で共有することの意義と危険性を知らしめ,その取り扱い方法について教育する事が必要かもしれない.ユビキタスカルテの利用は,時間的空間的隔たりを越えた情報の利用を可能にするため,利用者(患者,医療従事者とも)にそれなりのリテラシーを要求する.それ故,普及の初期段階にあっては特に,使用を希望する者,リスクに対する準備ができている者から利用をはじめ,医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である.
-
情報連携の支援・促進には,器機・ソフトウェア等の整備支援ではなく,医療データ提供を促進するための制度的報酬化が重要である.
補助や報酬について現在,電子カルテを用いた地域連携のシステムが試みられているが,公的な支援が終了した時点で勢いを失うことが多い.問題点は,継続的に運営を行える収入が発生しないことによる.国や県の補助や医師会の援助,中核病院の医療情報費を食い潰した段階で終了してしまう.しかし,現在の医療施設の経営状況からみて,個々の病院や医院に運営費を負担させるのは難しい.また,ユビキタスカルテが,個人の生涯カルテを目指し,人々が移動する実社会での医療情報共有を目標にするならば,限定された地域の医療施設の負担で運営する根拠は乏しい.現状では,ITによる地域連携を行っても,病院には診療報酬が発生せず,設備負担が生じるのみであり,ユビキタスカルテに前向きに取り組む経済的なインセンティブは働かない.逆に,医療従事者にとって負担が増えるのみである.これまでの電子カルテ普及計画の経過が示しているように補助金によるモデルケースの作成は旗振り役(役所,病院,医療情報関係者)の実績づくりにはなっても,医療従事者が進んで使う状況からはほど遠い.また,画像相談だけでなく、遠隔医療相談についても、点数化を含めた検討を行うべきである。当然、紙の様式を基準にしたり、画像の質を厳しく規定するのはナンセンスである。離島からISDN回線でも実用的に伝送できるレベルの画像の質を設定し、かつネットワークで連携することを前提にした制度とすべきである。 -
データセンターの利用料について、医療保険の適応が必要患者が自主的に医用データを保持する仕組みとして、重点計画では社会保障カード(仮)、及び電子私書箱(仮)が規定されているが、国がこれらのシステムを構築し、一元管理される予定であろうか。(IHE-Jを国が運用する?)現在は、医療機関が独自に保有する電子カルテ間でデータをやり取りするための規格のみが研究されている。結局、医療機関がデータを保有する形になると、多くの医療機関にまたがって診療を受ける患者のデータは分散する.各医療機関には、インターネットサーバを運営管理するような技能は期待できない。したがって、理想的には、インターネットサーバの運営管理が可能な技術者が常駐するデータセンターが運営を行うべきである。つまり、患者が主体的に自分のデータをデータセンターに保持し、そのアクセス権を医療従事者に与えるような運用が理想的である。このような運営形態が実現された場合に、そのデータセンターの利用料について、医療保険が補助するような視点が欲しい。
例えば,ユビキタスカルテは運営を一般企業であるウェブサービス会社で実施し,利用者である個人(患者)に課金する方が現実的である.個人(患者)にとって,利用料は,提供された医療情報(医師の記録や検査結果)の開示や長期的な記録の蓄積サービスを提供されることへの対価となる.一方,医療提供サイドにはユビキタスカルテの利用(患者へのカルテ開示,地域連携)に保険点数を付け,医療情報の記録,共有を奨励することが必要である.ユビキタスカルテは地域連携,医療情報共有システムとして利用されることに意義があるわけで,実際にシステムが稼働しても医療者がそのシステムを使うことにメリットを感じなければ,普及は難しい.総務大臣及び厚生労働大臣の共同による“遠隔医療の推進方策に関する懇談会の論点整理”にも示されているように,医師にインセンティブを与え、疲弊感を減らすような制度設計が必要である.使命感に基づく無報酬・業務外のボランティアに頼るのでなく、利用促進のための制度化,報酬化が重要である.加えて,この時の報酬許可条件は緩和しておくべきである.
このようにユビキタスカルテの利用者(患者)に一般企業が課金し,ユビキタスカルテを利用する患者にのみ診療報酬を発生させる考え方には異論があるかもしれない.しかし,ユビキタスカルテの利用に積極的であり,その利用に意義を見いだす利用者(患者)にとっては,受益者負担の原則が受け入れられると思われる.また,ユビキタスカルテの利用では,患者-医療従事者,医療従事者-医療従事者の連携が行われるため,無駄な検査や質の劣る検査機器による検査,重複する投薬は,患者や複数の医療従事者の目にさらされるため,淘汰されるであろう.これらの医療費抑制を促進するためにユビキタスカルテ利用に診療報酬を出すことは,理にかなうと思われる.また,ユビキタスカルテの運営を企業に任す事は,国の経済的負担を生じさせない上でも有効である.これはユビキタスカルテとレセプトのオンライン化を分けて進めるべき理由の一つでもある.
-
医療の情報化のための共通基盤の整備における画像や器機の規格に関しては,規制緩和を進め,安価な汎用品の利用に道を開くべき.
システムや器機の規格について一般的に医療用の材料や製品は,汎用品に比べて高価である.理由は様々であり,詳細は割愛するが,大きな問題として,「必要以上の性能を規格として採用している」部分がある.現在医療画像の中心となっているCT, MRI等の画像情報はビットマップデータとして生成されている.これらのデータは,通常用いられるTIFF, JPEG等の画像データを汎用モニターで再生しても医療に耐えうる.医学領域の学会発表で使用される画像はこれらであり,十分医学的な議論が行われている.現在使用されているCT, MRI器機で撮影された画像をJPEGで保存し,通常のモニター画面で再現したものは,過去の器機で撮影された画像をDICOM規格で保存し,精細モニターで再現したものより数段明瞭である. ITに関する画像や器機の規格に関しては,規制緩和を進め,安価な汎用品の利用を促進すべきであると考える.現在は、薬事法にて特に医用画像を扱う機器について、不要なまでの厳しい機器要件が設定されており、全くの無駄なコストが必要になっている。例えば、一昔前の薬事法で認可されていた機器と同等以上の性能の機器であるにも関わらず、「認可」された機器でなければ、薬事法には適合しないことになる。さらに、保険医療における制限はさらに厳しい。そのため、地域中核病院(もしくは大学病院)に勤務している医師が離島へき地の医師を支援したくとも、「薬事法に適合した機器を利用した支援でなければ点数が算定出来ない」、「ネットワークがISDNしか存在しないため、薬事法で規定するDICOMの画像では転送に時間がかかり、緊急の要請に答えられない。」等の問題が発生し、結果として中核病院(大学病院)側は無料奉仕にならざるを得ない。これではとても遠隔医療支援が広まるとは思えない。遠隔医療は、画像診断だけではなく、遠隔医療相談も行われる。つまり、高精細なX線画像に何が写っているかを見極めることだけが重要なわけではない。依頼がある場合、現地の医師は、そこに何が写っているかは分かっていることが殆どであり、手術(受け入れ)の可否や治療方針に関する問い合わせが主となる。したがって画像の質については、具体的な数値的な基準を設け、過度の認可制を撤廃すべきである。
-
病院内、地域内の医療情報システムの構築及びその相互接続の推進には電子カルテや検査機器メーカーへのデジタルデータ出力促進政策が必要である.(イ) 地域における医療機関間の情報連携の支援・促進(総務省、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省) PKG医療データのデジタル化情報の提供についてユビキタスカルテに記録される情報は一般の医療施設で作成される訳であるから,医療施設の診療室,検査機器で発生する情報を速やかにデジタル情報に変換できなくては,ユビキタスカルテの実現は困難である.個々の医療施設の電子カルテを広域利用に広げることは現実的でないので,ユビキタスカルテは,各医療施設で利用される電子カルテや画像サーバから医療情報を受け取る事になる.そのためには,各社各様で作成されている電子カルテや画像サーバがファイヤーウォールなどのセキュリティ対策を施した上で,インターネットに接続されることが望ましい.一般的に電子カルテや画像サーバのメーカーは,インターネットへの接続を望まないが,ユビキタスカルテへの情報出力がスムーズに進まなければ,ユビキタスカルテは実用にならない.電子カルテや画像サーバのメーカーに対して,インターネット環境へのデータ出力を促進させる技術的,政策的な指導も重要であると考えられる.
-
病院内、地域内の医療情報システムの構築及びその相互接続の推進にはブロードバンドの導入促進政策が必要である.通信網の整備と医療データのデジタル化情報の提供について現在インターネットによるブロードバンドが普及しつつあるが,未だに中小の医療施設でのブロードバンド普及は十分ではない.またユビキタスカルテに記録される情報は一般の医療施設で作成される訳であるから,医療施設の診療室,検査機器で発生する情報を速やかに登録できなくては,ユビキタスカルテの実現は困難である.離島へき地の医療を担う医師を支援する為に、離島へき地においても、公衆無線LANが安価に利用でき、医療連携等に活用できるような施策や、遠隔医療連携を実施する医療機関に対するネットワーク回線維持費の補助についても検討いただきたい.