"社会への発信"カテゴリーの記事一覧
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医療・複肢のIT化に関して以下のような記事がある.
-引用開始-
■患者も医師もアクセスできるデータベースなぜ、デンマークでは、高齢者が情報通信を利用して医療・福祉サービスを受けているのだろうか。欧州の先頭を走っているとされるデンマークの医療情報化について、「デンマーク医療の電子化の現状と今後の動向」(NTTデータ「欧州マンスリーニュース 2009年5月号」)というリポートが多くの要因を指摘しているが、注目すべき点として米タイム誌の次の報道を引用している。
「患者の診療記録等の健康情報を集中管理したデータベースがあり、かかりつけ医師の98%と、病院勤務の医師、薬剤師の100%がこのデータベースへアクセスできる。患者は医療現場で共有されている自分の情報を、セキュリティで管理されたサイトを通じて見ることができ、医療関係者が自分の健康情報にアクセスした際には、そのことが本人にメールで通知される。診療の予約はもとより、終末医療の際の意思表示さえも登録できる。さらに、病院では医師たちが端末を持ち歩き、薬を処方する際、処方しようとする薬が患者の体質(アレルギーの有無)に合っているか、他の医師による処方薬との併用により問題を引き起こす可能性がないのか等をチェックし、問題がある場合は端末が警報を発し医療事故を防いでいる」(Eben Harrell,“In Denmark’s Electronic Health Records Program,a Lesson for the U.S.” in Time,16th April 2009)。
同リポートによれば、デンマークでは国民の医療情報管理ツールとして、「sundhed.dk」と呼ばれるポータルサイトが開設されており、健康に不安を覚えてサイトを訪れた人のうちの3分の1は、慌てて受診する必要がない、あるいは全く受診の必要がないと気づき、安心するという。人口約550万人のデンマーク国内全体では、90万件の診療と、400万~1000万キロメートルの移動のための費用が節約できていると推計される。
-引用終わり-
このような機能はITカルテを用いると実現出来るものである.患者,医師,薬剤師,看護師,ケアマネージャー,社会福祉士などが相互にアクセスできる理想的なシステムである.
現在の問題は,運営の経費を如何に捻出するかである.ITカルテは現在,患者会員に会費を求めているが,医師が一次的に利用する場合は無料で利用を開放している.しかし恒久的に続けるためには,患者が会員になる必要がある.医療関連企業の広告を受け入れて,運営費用の一部に当ててはいるが,まだ汁分ではない.
ITカルテのようなシステムの利用に,何らかの補助が与えられるとありがたいが,そのような仕組みは日本にはない.
地域医療再生基金のような予算が利用できれば,一気に電子カルテ利用施設をITカルテに接続することが可能であるが,日本の場合,このような予算が,大手医療機器メーカーの閉鎖医療システムに使われてしまう状態で,真の患者まで利用できる開放型システムには投下されていない.このような閉鎖型システムは,医療施設にとっても,患者や地域の囲い込みに都合がよいという側面がある.しかし,このようなシステムは,フレキシブルに患者や医療従事者が利用できるシステムではない.
フレキシブルに患者や医療従事者が利用できるとは,患者がどの医療施設や医療機関を利用してもすぐに連携でき,さらにその患者の主治医や関連する薬剤師,看護師,ケアマネージャーなどが,いつでもどこからでもアクセス可能な仕組みである.医師が自宅や異動先からでも必要な患者の情報にアクセスできる仕組みがITカルテの真骨頂である.
すでに,自社の地域連携システムをもっている医療機器メーカーにとってもこのフレキシブルアクセスを補完する機能を提供できるので,ITカルテへの接続を検討してもらいたい.これは,お互い排他的ではなく,補完しあえる機能である.
ITカルテは大手メーカーが作ったシステムではないが,あらゆる電子カルテや医療画像サーバのデータを受け入れることが可能になり得るものであり,次世代型医療連携システムとして普及してもらいたいと思う.
問い合わせは
NECパーソナルシステム南九州株式会社へお願いします.
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病院や診療所が「電子カルテ」の情報を共有するシステム構築.
異なるメーカーの電子カルテシステムをすでに採用している病院や診療所でも,診察結果や検査データが見られる仕組みを開発.
これは,ITカルテで実現できることで,まるでITカルテの宣伝のようですが,上記のフレーズは2009年9月5日の日経新聞の記事で,富士通の広域医療連携システムのことです.地域に中継サーバを置き,総導入費用は1億~1億5000万円程度だそうです.この金額,どこまでを含んでいる金額なのでしょう.
”電子カルテ共有システムの構築支援に乗り出す自治体も増えることが予想されるので,自治体が医療機関と共同で新システムの導入や運用に参加できるように働きかける”とあります.
電子カルテに接続される出力サーバがありネット経由で中継サーバに繋がっている図が載っています.
出力サーバに医療データが蓄積されるのではないかと思われますが,そうであれば,NECのIDリンクとほぼ同じ仕組みと考えられます.
ITカルテなら,これほどお金はかからないし,患者個人へもデータが開放できます.また出力サーバがない小さな医院からもデータをアップロードできますから,是非ITカルテも検討対象にして欲しいですね. -
最近のITカルテの周辺情報をお届けします.
まず,ITカルテを利用したDICOM画像のJPEG変換機能は,好評のようです.利用者が増加している模様です.処理スピードが速く,あっと言う間に終わります.DICOMツリーの枝毎に,フォルダを作成して格納されるため,その後の使い勝っても良好です.
ITカルテを利用した画像の紹介機能も利用者が増加しています.そのため,連携専用のID作成が増えてきています.画像登録の後,紹介機能を上手く使ってもらえると,関連施設から大学病院への情報提供など非常に便利です.
画像の処理に関しては,取り込み時やJPEG変換時のCTのウィンドウ幅,ウィンドウレベルの設定ができるようになりました.これにより,頭部条件,骨条件,肺野条件,縦隔条件などが選択できるようになり,好みの状況での処理が行えるようになりました.
依然として問題のあるものは,そのCDあるいはその施設特有の圧縮やファイル形式のCDです.時々汎用型DICOMでないデータCDがあります.
データCDのルートディレクトリにDICOM.DIRのファイルとDICOMデータフォルダ
DICOMデータフォルダに各DICOMデータ という構造のCDならほぼ問題なく処理できます.
¥-DICOM.DIR
-DATAフォルダ¥-DATA1フォルダ¥-データ1-1
-データ1-2
-データ1-3
-データ1-4
....
-DATA2フォルダ¥-データ2-1
-データ2-2
....
-DATA3フォルダ
....
-DATAnフォルダ
となっているDICOM CDならばOKです.
これは,たぶんにCD作成施設の問題なのですが,他院へのデーCDを作成するソフトウェアの製作会社に汎用DICOMの出力機能を装備してもらう必要がありそうです.
データ出力病院やクリニックに装備されているソフトウェアに依存しているため,業界としての努力が求められるところではないかと思われます.
データ出力施設の医師は,データCDの作成を放射線技師に依頼しますが,放射線技師はその施設にある作成ソフトウェアでCDを作成します.作成されたデータCDを作成施設の医師は使いませんので,使い勝っての悪さを知らないまま過ごしています.
紹介元は十分な量と質のデータを送ったつもりになっていますが,紹介先(受け取り手)の医師が開いてみると,DICOMビュアーが起動しなかったり,使い慣れた汎用ビュアーで見ることができなかったりとfrustrationが溜まります.
また,以前にも述べましたが,一般の開業医の中には,CT,MRI,レントゲン写真など大量のデータを1枚のCDに入れてくる場合があります.良かれと思っての事でしょうが,保存ファイルは高圧縮でデータ落ちがひどく,解像度の低い画像になります.画像データCDを作成する場合は,非圧縮ファイルで作成して欲しいものです.
そんなこんなで,上手くいかないこともあるのですが,読めないCDは常にITKarteサービス会社へfeedbackをかけていますので,少しずつ改善されてきています.
このブログのアクセス解析をみると,このブログにたどり着く検索ワードで,
DICOM, JPEG, 変換,フリー
の組み合わせが特に多いことに気づきました.
皆さん,困っているのでしょうね.
ITカルテの利用登録には,医師免許番号の記載が必要であるため,二の足を踏んでいる方が結構いらっしゃるのではないかと思います.
ITカルテ開発スタッフもサービス提供に協力しているNECパーソナルシステム南九州株式会社も皆様に信頼していただけるように,努力しています.
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2009年2月28日,29日の2日間 第11回 日本在宅学会大会が鹿児島で開催されました.
初日の,ワークショップ I 地域医療と医学教育の中で,
遠隔医療を活用した教育
ITカルテを用いた医療情報の開示と医療連携の紹介
としてITカルテが紹介されました.
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医療情報化のためには医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である..啓蒙,教育についてユビキタスカルテの利用は,これまで国民も医療従事者も経験して来なかった状況である.患者にとっては,恒常的なカルテ開示状態が実現されるが,医療の特質として,診療の初期から全ての診断や治療方法が常に正しいとは限らない.このような状況を理解し,適切に対応する啓蒙,教育が患者に対しては必要であると考えられる.ユビキタスカルテの利用が医療訴訟を増加させるような事態になれば,医療者側が情報をユビキタスカルテに提供することは難しくなる.この点に関しては,社会が医療者に対して魔女狩り的な対応を行わないように行政,司法上の対策が必要である.また,医療従事者に対しては,個人情報を広域で共有することの意義と危険性を知らしめ,その取り扱い方法について教育する事が必要かもしれない.ユビキタスカルテの利用は,時間的空間的隔たりを越えた情報の利用を可能にするため,利用者(患者,医療従事者とも)にそれなりのリテラシーを要求する.それ故,普及の初期段階にあっては特に,使用を希望する者,リスクに対する準備ができている者から利用をはじめ,医療者と患者の不協和音を招かないように,社会への啓蒙と行政,司法上の対策が必要である.
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情報連携の支援・促進には,器機・ソフトウェア等の整備支援ではなく,医療データ提供を促進するための制度的報酬化が重要である.
補助や報酬について現在,電子カルテを用いた地域連携のシステムが試みられているが,公的な支援が終了した時点で勢いを失うことが多い.問題点は,継続的に運営を行える収入が発生しないことによる.国や県の補助や医師会の援助,中核病院の医療情報費を食い潰した段階で終了してしまう.しかし,現在の医療施設の経営状況からみて,個々の病院や医院に運営費を負担させるのは難しい.また,ユビキタスカルテが,個人の生涯カルテを目指し,人々が移動する実社会での医療情報共有を目標にするならば,限定された地域の医療施設の負担で運営する根拠は乏しい.現状では,ITによる地域連携を行っても,病院には診療報酬が発生せず,設備負担が生じるのみであり,ユビキタスカルテに前向きに取り組む経済的なインセンティブは働かない.逆に,医療従事者にとって負担が増えるのみである.これまでの電子カルテ普及計画の経過が示しているように補助金によるモデルケースの作成は旗振り役(役所,病院,医療情報関係者)の実績づくりにはなっても,医療従事者が進んで使う状況からはほど遠い.また,画像相談だけでなく、遠隔医療相談についても、点数化を含めた検討を行うべきである。当然、紙の様式を基準にしたり、画像の質を厳しく規定するのはナンセンスである。離島からISDN回線でも実用的に伝送できるレベルの画像の質を設定し、かつネットワークで連携することを前提にした制度とすべきである。 -
データセンターの利用料について、医療保険の適応が必要患者が自主的に医用データを保持する仕組みとして、重点計画では社会保障カード(仮)、及び電子私書箱(仮)が規定されているが、国がこれらのシステムを構築し、一元管理される予定であろうか。(IHE-Jを国が運用する?)現在は、医療機関が独自に保有する電子カルテ間でデータをやり取りするための規格のみが研究されている。結局、医療機関がデータを保有する形になると、多くの医療機関にまたがって診療を受ける患者のデータは分散する.各医療機関には、インターネットサーバを運営管理するような技能は期待できない。したがって、理想的には、インターネットサーバの運営管理が可能な技術者が常駐するデータセンターが運営を行うべきである。つまり、患者が主体的に自分のデータをデータセンターに保持し、そのアクセス権を医療従事者に与えるような運用が理想的である。このような運営形態が実現された場合に、そのデータセンターの利用料について、医療保険が補助するような視点が欲しい。
例えば,ユビキタスカルテは運営を一般企業であるウェブサービス会社で実施し,利用者である個人(患者)に課金する方が現実的である.個人(患者)にとって,利用料は,提供された医療情報(医師の記録や検査結果)の開示や長期的な記録の蓄積サービスを提供されることへの対価となる.一方,医療提供サイドにはユビキタスカルテの利用(患者へのカルテ開示,地域連携)に保険点数を付け,医療情報の記録,共有を奨励することが必要である.ユビキタスカルテは地域連携,医療情報共有システムとして利用されることに意義があるわけで,実際にシステムが稼働しても医療者がそのシステムを使うことにメリットを感じなければ,普及は難しい.総務大臣及び厚生労働大臣の共同による“遠隔医療の推進方策に関する懇談会の論点整理”にも示されているように,医師にインセンティブを与え、疲弊感を減らすような制度設計が必要である.使命感に基づく無報酬・業務外のボランティアに頼るのでなく、利用促進のための制度化,報酬化が重要である.加えて,この時の報酬許可条件は緩和しておくべきである.
このようにユビキタスカルテの利用者(患者)に一般企業が課金し,ユビキタスカルテを利用する患者にのみ診療報酬を発生させる考え方には異論があるかもしれない.しかし,ユビキタスカルテの利用に積極的であり,その利用に意義を見いだす利用者(患者)にとっては,受益者負担の原則が受け入れられると思われる.また,ユビキタスカルテの利用では,患者-医療従事者,医療従事者-医療従事者の連携が行われるため,無駄な検査や質の劣る検査機器による検査,重複する投薬は,患者や複数の医療従事者の目にさらされるため,淘汰されるであろう.これらの医療費抑制を促進するためにユビキタスカルテ利用に診療報酬を出すことは,理にかなうと思われる.また,ユビキタスカルテの運営を企業に任す事は,国の経済的負担を生じさせない上でも有効である.これはユビキタスカルテとレセプトのオンライン化を分けて進めるべき理由の一つでもある.